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私事都合により

2010 年 4 月 29 日

会社を辞めました。

理由はいくつもありますが、
いちいちここでぶち上げても仕方ないので書きません。

少なくとも、
正当な評価とソレに対する正当な対価を得ることが
最低限の労働条件だと思います。
それが出来ないような会社に、居続ける理由がない。

とりあえず、今ここに書くのは、
私の考える、「会社のあり方」です。

第一に
たとえ、どんなに景気が悪かろうが、仕事が無かろうが
優先して考えるべきは社員の生活であり、
その社員が仕事をすることで会社は維持できる。

会社が最優先すべき債務が、なぜ社員の給料なのか。

それすら理解できない、考えが及ばないような人間は
経営者になるべきではない。

社員の生活を守るためなら、倒産してでも守ればいい。
倒産し、社員全員の失業保険の申請手続きをし、
未払い給与は国の立替制度を申請する。
逃げるのではなく
最後まで、そこで働いてくれた社員に、出来る限りのことをする。

そのくらいの覚悟がなくてはならない。

第二に
会社は、利益を追求するのが目的だと、よく言われます。
会社の目的は、利益を得ることだと。
追求したければ、すればいいんです。
ただし、法に則って。
法に基づいて登記し、法に基づいて「法人格」を名乗り
法に基づいて労働力として人を雇用し対価を払う。

そして、社会的責任として、雇用の維持に最大限努める義務を負う。

人を雇うということは、その人の人生を預かるということだ。
殆どの会社が、アルバイトを含む兼業を禁じている。
禁じるならそれなりの責任があるはずだ。

生活の糧を得る機会を、その会社一箇所に制限され、
24時間の大半を、その会社のために使っている。
これは、雇われる側の人生に多大なる影響を与えている。

法の下での権限を行使するなら、最低限、法を守れ。

それが出来ないなら、人を雇用すべきではない。
個人事業主でもやってればいい。

法を守らないような会社に、
(法の下で認められる権限である)業務命令権を行使して
転勤を命ずる資格がそもそもあるのか。

少し考えるべきだろう。

・・・・・・

社会に出て15年近くになる。
その間、私はいくつかの会社を転々としている。

最初の会社に内定を貰い
「すぐにでも」と返事をしておきながら
地元でのアルバイトで「期間を定める契約」をしていたがために
それをフイにしかけたこともある。
結局、支社のトップに人事権が無いため何ともならず、
事情を説明して、期間経過後でもよければ、と電話をした。

転々としているその中で、会社の倒産を経験している。

そのときの社長は、
>社員の生活を守るためなら、倒産してでも守ればいい。
>倒産し、社員全員の失業保険の申請手続きをし、
>未払い給与は国の立替制度を申請する。
>逃げるのではなく
>最後まで、そこで働いてくれた社員に、出来る限りのことをする。

まさに、これだけのことをしてくれた。

入社後1年未満だった社員が
最低限6ヶ月収めなければならないという失業保険の受給資格条件を
満たせるよう、倒産する日まできちんと考えてのことだった。

扉に連絡先を書いた紙を貼り、写真を撮った時
社長が「会社は、こうやって潰れるんだ」と
つぶやいたのは忘れられない。
(この社長は後に9000万円の借金で自己破産している。)

ひとつの会社に定年まで勤め上げるのが美徳とされているが
そんな人よりもよっぽど、経験は積んでる。

そんな経験をしているからこそ、分かることがある。
いろんな会社を見てるからこそ、
自分なりの考えを持ち、動き続けられる。

この経験が無駄かどうかは、それを生かすか捨てるか次第だから。

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